<我孫子3歳児死亡> 市側の対応検証へ 3カ月前に近隣住民が通報 翌日面会も以降連絡取れず

我孫子市役所
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 我孫子市で2022年2月、清水奏良ちゃん(3)が死亡し、母親(27)が逮捕された事件で、市は29日、近隣住民から通報があった21年11月以降の市側の対応について検証する方針を明らかにした。通報翌日に母親と面会し、奏良ちゃんの安否を確認していたが、以降は連絡がつかなくなり、22年2月中に再訪問する予定だった。市子ども相談課の担当者は「母親と子どもの状態や他の案件の緊急度などを考慮し、再度の訪問予定は3カ月後になった」と話した。

 同課によると、21年11月18日、近隣住民から「2歳ぐらいの男の子が2時間ぐらい泣いている声が聞こえる」と通報があり、同日午後に担当者が母親宅を訪問。応答がなく、相談先などを記載した連絡票を残した。

 19日午前の再訪問後に母親から連絡があり、同日午後6時ごろに訪れた際は母親と面会。奏良ちゃんの状態も確認し、傷やあざはなく、母親を怖がっている様子もなかった。奏良ちゃんは法定健診、予防接種を全て受けていた。

 訪問後、同課は対応の緊急度を集中的な支援の実施が必要な「中度」と判断。母親の警戒心が強かったことから、時間をかけて対応する方針とした。電話での連絡が取れない期間が続き、22年2月2日の会議で同月中に訪問する方針を決めた。

 母親の永沼楓月容疑者は同月4日夜、奏良ちゃんを布団で巻いて死亡させたとして、今月28日に傷害致死容疑で逮捕された。

 事件を受け、市は要保護児童対策地域協議会の委員から意見を聞き、今回の対応について検証する。星野順一郎市長は「再びこのようなことが起こらないよう、市を挙げて全力で取り組む」とコメントを発表した。


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