2014年3月10日 16:17 | 無料公開
あす迎える東日本大震災3年を前に、津波で被災した福島県いわき市久之浜町で9日「追悼花供養」が行われ、会場へ市原市の県立鶴舞桜が丘高校(川上利夫校長)の生徒が育てた花を届ける市民ボランティアに同行した。
同町では海岸沿いの住宅の多くが津波と火災で被災。63人が死亡し10人が今も行方不明となっている。
花供養は、慰霊へ地元主婦のボランティア団体「千日紅の会」(小島悦子代表)の提唱で2年前から開催。今年初めて地元組織らとの共催となった。ネットなどでの呼び掛けで、市原市ほか全国から1万本近い花が寄せられた。
読経の後、住民らがこれら善意の花を献花して手を合わせた。久之浜・大久地区復興対策協議会の吉原二六会長(73)は「思いを忘れず、後世に伝えたい」と話した。小島さんの長女、小島和美さん(42)は「初めて地域の皆さんに声を掛けていただけた。一緒にまちづくりができたら」と期待した。
高校生の花は被災地ボランティア活動を続ける市原市の藤田和利さん(58)、SL災害ボランティアネットワーク市原ネット(沼野博会長)ら22人が届けた。藤田さんは「震災を、被災地の話題を風化させないことが大事だ」と訴えた。
◆再生へ
海岸沿いの住宅地の多くが被災し、現在は更地となっている。右横の積まれたがれきは被災住宅の基礎を砕いたもの。防災緑地の整備などに再利用するという
◆希望の響き
市原市在住で原発事故後に警戒区域に指定された福島県富岡町出身のシンガーソングライター、よの森あかねさんは太鼓団体「市原鼓友会」(長瀬博志会長)とともに久之浜町の隣町・四倉町の「道の駅よつくら港」でミニコンサート。ヒット曲「麦畑」などを披露した