館山にアンテナショップ「TATEYAMA 1093」オープン 寒天入りあんみつ味わって 千葉県産天草の魅力発信

館山産天草100%の寒天を入れた特製あんみつを手に持つ小形社長=館山市
館山産天草100%の寒天を入れた特製あんみつを手に持つ小形社長=館山市
落ち着いた空間で県産天草の味を存分に楽しめるアンテナショップ「TATEYAMA1093」
落ち着いた空間で県産天草の味を存分に楽しめるアンテナショップ「TATEYAMA1093」

 寒天やところてんの原料になるテングサ(天草)の魅力を発信しようと、天草の卸売業を営む「おがた」(本社・東京都文京区)は、館山市内にアンテナショップ「TATEYAMA 1093」を開いた。館山産天草100%の寒天を入れたあんみつや、厳選した土産品などを販売。国内で年々漁獲量が減少する中、同社の小形勇介社長(36)は「天草の価値の高さを多くの人に知ってもらう場にしたい」と意気込む。

 天草は煮出してゼリー状の寒天質を抽出できる海藻の総称。種類によって異なるが、主に水深3~15メートルの岩場などに生息する。小形社長によると、同市は全国有数の産地で、現在は国内漁獲量の約4割ほどが市内で水揚げされるという。質も良く、高級あんみつに使われる伊豆半島産に匹敵するほどの高い品質を誇る。

 ただ、海水温の上昇や黒潮の蛇行などといった影響により、国内産天草の漁獲量は近年大幅に減少。伝統的な食材でありながら、他の海産物に比べて存在感や知名度も低い。こうした状況の中、同社が展開する純国産の最高級ブランド「にっぽんてんぐさ」の価値や可能性を伝えようと、市内にある同社工場と倉庫の隣接地に初のアンテナショップを開いた。

 同店で提供する特製あんみつには、館山産天草100%の寒天を使用。北海道産あずきを使用した小倉あんや白玉を合わせ、ボリューミーな一品に仕上げた。小形社長は「固さがある他の産地の寒天と比べ、館山産は弾力があり、なめらかな食感が特徴。地元の天草で作った寒天を現地で味わってほしい」とアピールする。

 今後は新メニューの開発はもちろん、天草の歴史や文化を学んでもらう拠点としても活用していく考え。小形社長は「寒天が固まっていく工程はすごく面白い。ゆくゆくは地域の子供たちの学習の場としても活用できれば」と話している。

 営業時間は毎週木曜~日曜の午前11時~午後3時(ラストオーダーは2時半)。


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