防戦の自民 支持層流出 裏金に2000万円問題打撃 【有権者の選択 検証ちば衆院選】(中)

激戦を制し、万歳三唱する松野氏(中央)=28日、市原市
激戦を制し、万歳三唱する松野氏(中央)=28日、市原市

 「野党は派閥の政治資金問題を集中的に争点化してくる」。自民党千葉県連幹部の懸念は的中した。今回の衆院選は立憲民主党が「裏金隠し解散」と繰り返し強調、他の野党も派閥裏金問題を批判し、自民は防戦を強いられた。

 裏金問題に無関係だった県内候補者らも「お金の問題の説明から始めなければならない」「ビラを受け取ってもらえず、『裏金をよこせ』とも言われた」などと逆風にさらされ、厳しい戦いに。終盤に非公認候補側への2千万円支給問題も浮上し、さらなる打撃を被ったまま投票日を迎えた。

 県内14選挙区で自民が確保した議席は「7」、比例復活当選は「1」。計10議席を獲得した立民に及ばなかった。自民が衆院選で県内の第1勢力の座を他党に明け渡したのは2009年以来。

 共同通信社が27日の投開票日に行った出口調査によると、県内で裏金問題を「考慮した」と答えた有権者は77%。全政党の支持層で6割を上回り、自民支持層も71%が考慮したと回答。自民の7候補が敗れた小選挙区では、いずれも自民支持 ・・・

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