立民倍増「野田効果」波及か 躍進に冷静受け止めも 【有権者の選択 検証ちば衆院選】(上)

ビラを配り支持を求める野田氏(左)と水沼氏=25日、船橋市
ビラを配り支持を求める野田氏(左)と水沼氏=25日、船橋市

 8月14日、岸田文雄首相(当時)が自民党総裁選への不出馬を表明し、今回の衆院選は事実上スタートした。「総裁選後に衆院解散」との観測が既定路線として出る中、立憲民主党も任期満了に伴う代表選を実施。党千葉県連などから待望論のあった野田佳彦元首相(67)は熟慮の末、地元のJR津田沼駅前で「再び内閣総理大臣を目指す決意を固めた」と宣言し、代表の座をつかんだ。

 12年前、民主党政権の首相として臨んだ衆院選で惨敗を喫し、政権を自民に明け渡した。「多くの同志を失った。痛恨の極み」と責任を背負い続けてきた野田氏は「政権交代前夜」と銘打った勝負に出た。

 「政権交代こそ、最大の政治改革」。屈指の論客として知られる野田氏は、衆院選で得意のユーモアを抑え、重厚な弁舌で仲間をけん引。戦略は功を奏し、公示前勢力の98議席から148議席とし、自公を過半数割れに追い込んだ。

 県内は今回から1増の14小選挙区となり、計60人が出馬。立民は7議席を確保し、7人当選の自民と五分の戦いを演じた。比例復活当選を含めた衆院議員数は倍増の「10」に。自民の「8」を超え、立民は初めて第1勢力に躍進した。県連代表の奥野総一郎氏(60)は「野田代表効果もあった。中道政党というイメージが付いてきたのでは」と分析した。

 鍵は無党派層だった。共同通信社が27日の衆院選投開票日に行った出口調査では、無党派層 ・・・

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