米国務省「中国が技術盗む」 報道官、学生ビザ取り消し正当化

米国と中国の国旗(AP=共同)

 【ワシントン共同】米国務省のブルース報道官は29日の記者会見で、中国人留学生のビザ取り消しについて「中国共産党が米大学を搾取し、研究や知的財産、技術を盗んで軍事力を増強することを許容しない」と正当化した。最大の競争相手と位置付ける中国が学生を通じて影響力を行使しており、安全保障上の脅威になっているとの認識を示した。

 国務省はビザ取り消しについて、中国共産党と関係がある学生や、「重要分野」を学ぶ学生が対象だとしている。基準はあいまいで、多くの中国人学生が対象となる可能性がある。

 ブルース氏は、中国政府の意向を受けた留学生が大学で情報収集したり、中国に批判的な意見を抑圧したりしていると示唆。ビザ審査厳格化で、優秀な学生が米留学を敬遠するとの懸念については「多くの学生は米大学の卓越性に引かれている」と自信を見せた。

 トランプ政権は、パレスチナ自治区ガザの戦闘でイスラエルに抗議する学生デモの取り締まりを進めている。ブルース氏は大学が政治的な洗脳をしたり、活動家を育成したりする場であるべきではないと述べた。


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