いのちの時間2 第2話(下) 作・相羽亜季実

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「先日はありがとうございました」

 津島の声がする方向へ向かって頭を下げる。

「いえ、大したことはしていませんから」

 津島はその時と同じようにそう言っただけだった。隣のイソノが、

「あれっ、どうしたの? にいちゃん、ひかりちゃんとなにかあった?」

 と甲高い声で尋ねる。津島がなにも答えようとしないので、

「この前、わたしが駅で助けてもらっ ・・・

【残り 1714文字】



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