2025年6月6日 14:57 | 無料公開

記者会見で着陸船「レジリエンス(再起)」が月面着陸に失敗したとの見解を表明するispaceの袴田武史最高経営責任者=6日午前、東京都千代田区
宇宙企業ispaceは6日、着陸船「レジリエンス」が月面着陸に失敗したと発表した。午前4時過ぎの着陸に向け降下したが、十分に減速できなかった。月面に衝突し、通信が断絶したとみられる。2023年4月に民間で世界初の着陸を目指したが失敗し、その後に米企業が成功。今回はアジアの民間企業で初となる着陸に挑んだが、果たせなかった。
記者会見で袴田武史CEOは「重く受け止めたい。残念だし、支援者に申し訳ない」と述べた。「次につなげることが責務だ」とも強調、原因を分析し、27年に予定する新たな大型着陸船での挑戦を続けると表明した。
同社によると、着陸船は6日午前3時過ぎに自動操縦で高度を100キロから20キロに下げ、予定通りエンジンを噴射し減速を始めた。姿勢はほぼ垂直になったが、高度192メートルを最後にデータが途絶えた。高度把握に遅れが生じ、減速が間に合わなかった可能性がある。センサーの不具合も視野に分析を進める。
ispaceの挑戦は、月探査の国際賞金レースに参加した10年から続く。