2025年5月30日 16:02 | 無料公開
【ソウル共同】日米韓主導で北朝鮮に対する国連制裁の履行状況を監視する「多国間制裁監視チーム(MSMT)」は29日、初の報告書を公表した。北朝鮮が少なくとも100発の弾道ミサイルや、対戦車ミサイルを昨年供与し、見返りとしてロシアから防空システムや電波妨害機器などの提供を受けたと指摘した。
北朝鮮との結び付きを深めるロシアは国連制裁違反を公然と続け、北朝鮮もMSMTの活動に反発している。報告書はロ朝の違法な軍事協力に焦点を当て、国際社会に監視強化や情報共有を呼びかけた。
報告書は、北朝鮮が供与した弾道ミサイルはウクライナで発射され、民間施設などを破壊したと指摘した。ミサイルには外国製の部品が使われ、北朝鮮が制裁を回避し第三国の業者を介して調達しているとした。ロシアがミサイルの性能データを提供し開発を支援していると分析した。
北朝鮮は2023年9月以降、砲弾などが入った2万以上のコンテナをロシアに供給。24年には1万1千人を超える兵士を派遣しロシア軍から砲術などの訓練を受けた。