2025年5月27日 18:05 | 無料公開

米国との5回目の高官協議後、会場のオマーン大使館を離れるイランの代表団=23日、イタリア・ローマ(ロイター=共同)
【テヘラン共同】イランが核開発問題を巡り23日に米国と行った5回目の高官協議で、協議決裂の可能性を警告していたことが27日分かった。外交筋が明らかにした。ウラン濃縮活動の完全停止を正式に要求した米国に対し、平和利用目的の核開発能力の維持を訴えるイランが強く反発した。両者の隔たりは大きく協議の先行きは不透明だ。
一方、トランプ米大統領は25日「大変順調に議論が進んでいる」との認識を示し、次回協議が近いうちに開催されるとの見通しを表明した。トランプ政権はイランの核兵器保有を阻止するとし、協議決裂の場合の軍事力行使を示唆している。
5回目協議はイタリア・ローマでこれまでと同様、オマーンの仲介で行われ、外交筋によると米国が初めてウラン濃縮停止を要求した。イランは「主目的が濃縮停止なら協議を始めることはなかった」と強く非難。原子力の平和利用は核拡散防止条約(NPT)の参加国に認められた権利だとし、米国が濃縮停止に固執する場合は協議を継続しないと伝達した。