日本海海戦120年、対馬で慰霊 ロシア軍人のひ孫が参列

長崎県対馬市で開かれた日本海海戦の慰霊祭=27日午前

 1905年5月に長崎県・対馬沖で日本とロシアの艦隊が戦った日本海海戦の慰霊祭が27日、対馬市で開かれた。海戦で負傷後、亡くなったロシア軍人のひ孫ヤロスラバ・マルムベルクさん(64)が来日して参列。終了後に「慰霊祭が今も続き感動した。よい供養になった」と語った。

 地元有志らが主催し、島北端の公園で開かれた。住民や自衛官ら約230人が慰霊碑に黙とう、献花した。ロシア大使館からは花が届いた。

 地元では、ボートで漂着したロシア兵らを島民が介抱し、食事や宿を提供したと伝わる。海軍軍人の東郷平八郎のやしゃご保坂将雄さん(36)=東京都江戸川区=は「敵味方を問わず助けた対馬の人々の温かさを改めて感じた。平和を祈り慰霊した」と話した。

 参列した長崎日ロ協会会長の金山栄さん(77)は「厳しい国際情勢でも、個人同士のつながりは大切にしたい。一刻も早く平和が戻ってほしい」と静かに語った。

 日露戦争中の日本海海戦では、旧日本海軍の連合艦隊がロシアのバルチック艦隊に勝利した。


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