北海道を舞台にした山田洋次監督の映画「幸福の黄色いハンカチ」（１９７７年）に出演した倍賞千恵子さんが１０日、札幌市中央区で開かれた同作品の上映会で講演した。監督や共演者、地元の人たちとの交流を懐かしみ「演じる楽しさを学んだ場所だった。生きる糧になった」と語った。

　ハンカチをはためかす風が吹くまで何日も待ったという撮影の日々を回想した。共演した故高倉健さんからきょうだいの人数を教えてもらったのに、緊張のあまり忘れてしまったというエピソードも。

　同作では、高倉さんが演じる服役した元夫の帰りを待ち続けた。「愛されていることを信じて待つ彼女を、私も愛して演じていました」と振り返った。