2025年3月12日 09:33 | 無料公開
取材に応じる徳島大の和泉唯信教授=徳島市
筋肉が徐々に動かなくなる筋萎縮性側索硬化症(ALS)の新薬を開発する際に行う臨床試験(治験)のガイドラインの作成を、国内で初めて徳島大などが始めた。大学によると、海外で承認された薬が国内で実用化が遅れる「ドラッグラグ」が課題となっており、解消を目指す。
近年、欧州や米国中心に共同で治験を行い、複数の国で同時に新薬を発売する動きが活発化している。一方、日本は人口から市場規模が小さいとみなされ、英語圏ではないこともあり、国際共同治験に参加しづらい現状がある。ALSの場合、ガイドラインがないことも障壁だった。
ALSの国内の推定患者数は1万人以上とされる。原因は解明されておらず、根本治療法はない。米国で2023年4月に迅速承認された新薬トフェルセンを巡っては、国際共同治験に参加できたが、米国と治験の評価方法が違うため、日本での承認は24年12月だった。








