助産師中心の分娩、高知県導入へ 産科医不足で、期待も

お産を取りやめたJA高知病院=高知県南国市

 産婦人科や産科のある病院が減り続けている。地方では、少子化などが原因で分娩機関は採算が厳しく、産科医不足も指摘されているという。そんな中、高知県は2026年度から、医師ではなく助産師が主体となって分娩などを担う「院内助産」の導入を決めた。関係者から「医師の負担が軽くなれば」との声が上がる。

 JA高知病院(同県南国市)は24年6月、産科医不足などを理由にお産を取りやめると公表した。同病院の産科は高知大から医師2人を受け入れてきたが、うち1人が退職。補充がなくお産に対応できなくなったという。

 全国的にも分娩機関は減っており、厚生労働省によると、23年10月時点で産婦人科や産科がある全国の一般病院は1254施設で、33年連続で減り続けている。

 高知大医学部の永井立平准教授(49)は、産科医のなり手不足と高齢化を背景に挙げる。

 事態を打開するため、高知県が「院内助産」の採用を決定。助産師が中心となって妊婦健診から分娩まで担う仕組みで、異常が現れた場合は医師が対応する。厚労省によると、全国の154病院で導入されている。


  • Xでポストする
  • LINEで送る