「波紋」 『かっぱのすりばち』

  日差しの濃さに春の気配を感じるようになった。凍てついた土の上にオオイヌノフグリの青い花がふかふかと広がっていて、つい足が止まる。水路に薄氷が残っているが、田起こしされた土はほっくりとあたたかそうだ。一陽来復。二月は暖かさと寒さがせめぎ合う。冬に逆戻りしたような寒い日には、節分 ・・・

【残り 1094文字】



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