「喪う」 『さりながら』

  東北関東大震災が起きた時、私は小学校の敷地内にある学童保育所で、同僚の先生と登所児童を待っていた。ぐらっと最初の揺れ。慌てて机の下にもぐった。古い校舎の床がきしみ、ガラスがミシミシと音をたてた。スチールのロッカーががたがた動く。天井から下がった蛍光灯がぐらぐらと ・・・

【残り 1219文字】



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