「水の声」 『たのしい川べ』

 時々、水を眺めたくなる。人の体のほぼ七十%は水分だと言うから、体内の水が外にある水を恋い慕うのだろうか。ひとりで、或いは友人と、沼を見に行く。車で十五分ほど走ると印旛沼に出る。小高い所から沼を眺めると、茂った葦のむこう、湖面が光りながら招いてくる。 ・・・

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