「憧れ」 高楼方子「十一月の扉」

 中二の夏休み、予備校で夏期講習を受けた。学校へ通う坂の途中には、白壁のレストランがあった。樺の木が二階まで枝を伸ばし、大きな窓は見晴らしがよさそうだった。

  「がんばって通って ・・・

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