夕涼みの場になって 縁側慕情 絵・文道塚元嘉 【民家の四季】

 めずらしく、梅雨のあいまに突然あらわれたまだら模様の夕焼雲は、びっくりするほど静かな美しさでした。もう何年になるでしょうか。民家に灯りがともり、人の気配を感じると、やがて立ちのぼるカマドの白煙やふくよかな茅葺(かやぶき)屋根を、夕焼雲があかね色にほんのり染めて、どこかへ消えていった日のことを思い出しています。人の ・・・

【残り 1412文字、写真 1 枚】



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