2025年5月15日 19:59 | 無料公開

多古町役場
多古町議会(定数14)で議長選が繰り返しやり直され、21回実施しても議長が決まらない異例の事態となっている。議長になると議案などの採決に参加できず、町長派と反町長派が7対7と拮抗(きっこう)する議会勢力の中で不利に働くとの判断があり、当選しながらも「一身上の都合」などとして辞退する状況が続いている。13日の臨時議会開会日から会期延長となった15日も決着せず、再び延長となった19日に持ち越されることになった。
議長選は13日、鵜沢茂前議長が「一身上の都合」を理由に議長を辞職したことに伴い実施。選挙は14人全員が投票し、1回目から毎回、佐藤幸三町議と橋本孝之町議の2人が記名されている。議会勢力を反映し、ほぼ毎回同数の票で、くじ引きにより当選者を決めても双方とも辞退し、投票が繰り返されている。
膠着(こうちゃく)状態に陥っている状況に、ある議員は「(圏央道の開通や成田空港の機能強化を控え)町にとって大事な時期に足を引っ張っている状況ではないが、議長を出すと少数派になってしまう」と述べ、別の議員は「町民の目に現状がどう映るのか。被害を受けているのは町民」と心配した。「町長派から議長を出すべきでは」という声もあった。