2025年5月10日 05:00 | 無料公開

協定書を取り交わす千葉大病院の大鳥院長(右)と神谷市長=8日、千葉市役所
千葉市と千葉大病院(同市中央区)は8日、医療連携協定を締結した。千葉大病院で処置をした救急患者を、約500メートルの距離にある市立青葉病院へ円滑に転院させ、千葉大病院の専門医療を必要とする患者に病床を確保する。高度医療を提供する大学病院と、地域医療を支える公立病院の役割分担を明確にし、医療資源の有効活用につなげる。
千葉大病院では救急患者を処置した後、入院・転院先が見つかりにくい問題があった。今後は初期処置後の救急患者を青葉病院で迅速に受け入れ、千葉大病院が重篤患者の治療に注力しやすい体制にする。
両病院の医師間の情報共有も効率化する。これまで電話で行っていた転院の調整や診療情報の引き継ぎ連絡はビジネスチャットに切り替え、正確で負担の少ない情報共有を図る。
市役所で締結式が開かれ、神谷俊一市長は「機能の異なる医療機関が近接している地理的利点を生かすことで、医療連携の強化を図っていきたい」と意義を強調。千葉大病院の大鳥精司院長は「今後、さまざまな病院の連携に発展させるための第一歩」と期待した。