2025年3月23日 05:00 | 有料記事

地元の中学生が作った看板の前で瑞沢川の水質調査をする松本さん(左)ら=2月3日、睦沢町(松本さん提供)

2023年2月の放流会の様子。多くの子どもたちが参加した=睦沢町

瑞沢川に放流されたサケの稚魚
全国的なサケ捕獲数の減少を受け、睦沢町の任意団体「瑞沢川に鮭の稚魚を放流する会」は、毎年2月に開催していた放流会を2年続けて中止した。2011年から続け、23年の放流には町内外から過去最多という約520人が参加したが、捕獲減で卵を入手できなくなった。「サケが戻ってくるきれいな川」を目指して活動してきた同会は、水質調査やごみ拾いを継続している。
同会は、川の環境美化や郷土愛の醸成を目的に11年に発足。「めざせ‼サケ回帰南限の町」をスローガンに活動を展開してきた。現在は町民約20人が会員になっている。
主な活動として同会は、稚魚を育てる人を募って毎年12月に卵を配り、翌年2月、町内を流れる瑞沢川に放流してもらっていた。直近の22年12月は約1万2千粒を配り、23年2月の放流には約520人が参加した。
同会の松本敏男会長(78)によると、卵は新潟県の漁協から取り寄せていたが、サケ捕獲数の減少で入手が困難に。今年は北海道からの取り寄せも試みたが、同様の理由で実現しなかった。
北日本や東日本の一部では資源保護のため、捕獲したサケの卵を人工ふ化させて稚魚を放流しているが、全国さけ・ます増殖振興会によると、その卵を十分に確保すること自体が各地で難しくなっているという。
捕獲数の減少は温暖化による海水温の上昇などが影響しているといい、放流する会の松本会長は「何とかやりたかったが、厳しいようだ。世界的な問題 ・・・
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