2025年3月10日 16:54 | 有料記事

ツアーに参加した学生と学びを振り返る藤森センター長(右)=2月26日、千葉市稲毛区の敬愛大学

敬愛大学の学生に震災当時の様子を伝える田村孝行さん(中央手前)=2月12日、宮城県女川町(敬愛大学提供)

津波で亡くした健太さんの写真を手に、命の大切さを訴える田村弘美さん=2月12日、宮城県女川町(敬愛大学提供)
千葉市稲毛区の敬愛大学の学生たちが、東日本大震災の被災地を訪問して被災者と交流するスタディーツアーを続けている。2011年9月に同大学の有志が宮城県で行ったボランティアをきっかけに、年1回のペースで同県を中心に数カ所を回る訪問は、今年で14年目を迎える。ただ発災時は幼く、震災の記憶があまりない大学生も増えてきた。活動は被災者の支援から、これからを担う世代への震災被害の伝承や、悲劇を繰り返さないための教訓を伝えるものに移りつつある。
今年2月中旬、同大学の学生30人が、震災で827人の死者・行方不明者が出た宮城県女川町を訪れた。語り部として学生の前に立ったのは、田村孝行さん(64)と弘美さん(62)夫妻。津波で長男の健太さん=当時(25)=を亡くした。銀行員だった健太さんは、配属先の女川支店で勤務中に震災に遭遇。上司の指示で本来の避難場所だった近くの高台ではなく、2階建ての支店の屋上に同僚と避難し、津波にのま ・・・
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