元千葉県研究員、退職後も技術指導 一宮町の稲花酒造、12代目地道に味追求 伝統継承へ女性奮闘 【房総の酒に乾杯 ユネスコ文化遺産登録】

仕込み中の酒の状態を確認する宮崎さん(右)と秋場社長=一宮町の稲花酒造
仕込み中の酒の状態を確認する宮崎さん(右)と秋場社長=一宮町の稲花酒造
県内外の酒蔵で指導を続ける宮崎さん
県内外の酒蔵で指導を続ける宮崎さん
稲花酒造の秋場社長
稲花酒造の秋場社長

 昨年12月27日、一宮町の「稲花酒造」に千葉県産業支援技術研究所の元研究員、宮崎浩子さん(61)=匝瑳市=の姿があった。仕込み中の日本酒の状態を確認し、工程表を見ながら杜氏(とうじ)らと温度管理などについて話し合う。出来上がった酒の香りや色、味も点検し、今後の作業について助言していた。

 宮崎さんは東京農業大学で醸造学などを学び、1987年に県庁入り。同研究所の研究員として、麹(こうじ)の開発などに携わったほか、発酵食品全般の指導を約35年にわたり行ってきた。県内の酒蔵を巡り、酒造りのアドバイスも続けてきた。

 昨年3月に県を定年退職。「これからはゆっくり過ごそう」と思っていたが、酒蔵から「今後 ・・・

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