息子の月命日手合わす 鵜原港漁師の母 【黒潮ものがたり 紀伊・房総】(12)

勝浦市鵜原の漁港のスケッチと写真
勝浦市鵜原の漁港のスケッチと写真

 紀州漁民の菩提寺で有名な真光寺(勝浦市鵜原)で、檀家で息子の月命日に必ず墓前に手を合わす、鵜原在住の漁師の母・野村たまきさん(仮名、当時75歳)に出会いました。

 彼女は大分から鵜原に移住して漁師として成功した親戚の勧めで、昭和38(1963)年、大分から勝浦市鵜原に嫁ぎました。

 そのころの漁期は、4月はイシナギ(ムツ、カジキマグロに似た大魚)、6月イサキ(小さい魚)、キンメダイ、7~8月ヤリイカ、スルメイカ。

 主人は海士(あま)でサザエ、アワビを得意と ・・・

【残り 877文字】



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