2024年7月27日 05:00 | 有料記事

書籍「一本釣り渡世」より、さまざまな漁具
今回は紀州漁民に学びながら、千葉の勝浦で活躍した昭和初期の漁師・石橋宗吉の話です。
イカ、タコ、タイの一本釣りを志向していた宗吉は昭和6(1931)年、30歳の時、勝浦沖に見慣れぬ2トン半の和船型漁船を発見します。彼は無視した振りをしてその船に近づいてよく見ると、4人の乗船者が正座をして魚を釣っているではありませんか! 不思議に思った宗吉は旅船の道具が知りたく、水揚げしているところを訪ねました。
それはビシマ道具というタイの手釣り道具でした。24メートルの絹糸に柿渋をかけ、全長を三分してビシ(鉛の錘)を底にいくほど間隔をつめて付けます。すると、真っすぐに底に行くの ・・・
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