シェルターで夢見つけた 虐待経験、居場所作りを 画家・大田垣光月さん(22)千葉市緑区在住 【ちば新時代 私たちの挑戦】

製作中の大田垣さん。クレヨンで描くのが得意だという(本人提供)
製作中の大田垣さん。クレヨンで描くのが得意だという(本人提供)
自作の絵を説明する大田垣さん。目や唇にこだわったという=千葉市緑区
自作の絵を説明する大田垣さん。目や唇にこだわったという=千葉市緑区

 父親から虐待を受けていた高校3年生の冬。夜の公園でブランコに乗りながら、支援団体に電話をかけ続けた。毎日がしんどかった。安心できる居場所が欲しかった。「いのちの電話」で紹介されたシェルターは心安らぐ場所だった。自作の絵も褒めてくれた。だから、今も描き続けている。昨年10月に個展を開き、売り上げの一部をシェルターの運営団体に寄付をした。夢が生まれた。「次は自分が居場所を作ってあげたい」。

 父親の精神的虐待が激しくなったのは高校進学後。期待通りの成績を出せなかったことが原因で、激しく叱責(しっせき)されるなどして精神的に追い込まれていった。見かねた学校の先生を介して、児童相談所の一時保護所に入った。

 同所の生活を「父と距離を置くことができ感謝している」と振り返る。ただ、ずっといるわけにもいかず自宅に戻ると、状況は悪化していた。父親は子を連れ去られたと思い込み ・・・

【残り 7773文字】



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