2023年7月7日 05:00 | 有料記事

東京ビジネスクリニック「ペリエ千葉エキナカ」では、発熱外来の受診者が1カ月で約5倍に増えている=6月30日、千葉市中央区
新型コロナの流行「9波」入りの懸念が高まっている。千葉県内の1医療機関当たりの平均感染報告数は、3週連続で増加。前週は都道府県別で5番目の多さだった。千葉市内の発熱外来は、6月だけで患者数が約5倍に急増。発熱外来のクリニック経営者は「確実に9波に入っている」と明言する。発熱や喉の痛みなどの症状が出る子どもの夏風邪の流行も全体の患者数を押し上げており、医療機関は“危険水域”の一歩手前という状況だ。
県が5日発表した直近1週間(6月26日~7月2日)の平均報告数は、9・89人。前週は7・77人で、全国平均の6・13人を上回り、都道府県では沖縄(39・48人)、鹿児島(11・71人)、熊本(8・75人)、愛知(8・03人)に次いで5番目に多かった。
同時に子どもの夏風邪も流行期に入った。県は6月28日、小児に多い夏風邪「ヘルパンギーナ」の報告患者数が、2012年以来に警報基準値を超えたと発表。症状が発熱や喉の痛みなど新型コロナと類似していることから、発熱外来でコロナの検査をする必要があるなど医療機関は慎重な対応を迫られている。
ヘルパンギーナは例年7月ごろに感染のピークを迎える。今年は5月から急増し、6月に同基準値を突破した。千葉大病院の猪狩英俊感染制御部長は「これまで強固だった新型コロナの感染対策が緩み、ヘルパンギーナも流行しやすい状況になった」と分析。新型コロナの感染動向に関しては「これから夏休みの時期を迎え、交流の場が増える。飲酒を伴う会食に参加する心理的なハードルも下がっており、感染拡大しやすい状況がつくられるだろう」との見通しを示し ・・・
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