林芙美子、鷗荘訪ねる 森鷗外(9) 中谷順子 【房総の作家】

 森鷗外が明治44年に執筆した「妄想」で、夷隅の日在海岸の「鷗荘」での暮らしを次のように記している。

 「河は上総の夷灊(いしみ)川である。海は太平洋である。秋が近くなつて、薄靄の掛かつてゐる松林の中の、清い砂を踏んで、主人はそこらを一廻り ・・・

【残り 1062文字、写真 1 枚】



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